特別保存刀剣鑑定書(平成15年1月16日)付
¥480,000(税込)
金着一重鎺、白鞘付
東京都教育委員会登録証(昭和53年2月9日)付
◎時代・国
室町時代末期(約450年前)、美濃。
◎法量
刃長29.6㎝(9寸7分7厘) 反り0.5㎝(1分7厘)
元幅2.62㎝(8分7厘) 元重0.52㎝(1分7厘)
茎長9.0㎝(2寸9分7厘)
◎形状
鵜の首造、庵棟、身幅尋常、浅く反りがあって、寸延びた長めの短刀体配で、姿が良い。
◎鍛
小板目に小杢目肌交じってよく約み、地沸細かにつき、地景入り
、やや白けごころがある。
◎刃文
鎺元から互の目・丁子乱れに飛焼交じり、上に行って太直刃となり、細かく足・葉入り、金筋・砂流しかかり、互の目調の棟焼入り、よく働き、刃明るい。
◎帽子
直ぐで入り、先尖って深く返り、棟焼に繋がり、先やや掃き掛ける。
◎彫物
表裏に腰樋がある。
◎茎
生ぶ、先栗尻、鑢目深い勝手下がり、目釘孔2。
◎説明
若狭守氏房は末関を代表する刀工の一人で、兼房の子と伝えている。自身も兼房を名乗っていたようであるが、永禄十三年に若狭守を受領し、氏房と改めたといわれている。
元亀・天正年間に多いに活躍し、織田家の抱鍛冶となり、岐阜・関・安土・清洲等にて鍛刀し、天正十八年清洲にて57歳で没している。
本作は品の良い大振りの鵜の首造りの短刀で、小板目に小杢目肌が交じってよく約み、地沸細かにつき地景入り、鎺元の互の目・丁子乱れから太直ぐ刃となって、細かく足・葉・金筋・砂流しがかかって明るくよく働き、帽子も先尖って深く返った力強い作品で出来が良く、同作中の優品である。