刀  銘 藤原是一 諸天之以神水造之 (新々刀・上々作)

文久四甲子年正月癸卯元日

特別保存刀剣鑑定書(平成23412)

               ¥2,600,000(税込)

田野辺探山先生御鞘書付

金着一重鎺、白鞘付

東京都教育委員会登録証(平成23118)

◎時代・国

江戸末期(161年前)、武蔵。

 

◎法量

刃長76.1(251) 反り1.4(46)

元重3.15(14) 先幅2.19(72)

元重0.83(27) 先重0.65(22)

鋒長4.34(143) 茎長27.9(921)

 

◎形状

鎬造、庵棟、身幅広く、鎬高く、重ね厚く、長寸でやや反りがあって姿良く、中鋒延びた豪壮なる体配である。

 

◎鍛

小板目肌よくつんで、柾がかるところもあり、地沸微塵に厚くつき、地景細かにいる。

 

◎刃文

丁子乱れに互の目・小互の目など交じり、足・葉さかんに入り、匂深く、沸厚くつき、処々荒めの沸交じり、金筋・砂流しかかり、よく働いて明るく冴える。

 

◎帽子

表裏焼深く、乱れ込んで、先小丸に返り、掃き掛ける。

 

◎彫物

佩表に根付松と竹、佩き裏に兎に梅樹を濃密に彫る。

 

◎茎

生ぶ、先尖りごころの栗尻、鑢目化粧付大筋違い、目釘孔2

 

◎説明

石堂運寿是一は、加藤長運斎綱俊の甥であり、初め綱俊について鍛刀の技を学び、後に六代目石堂是一の婿となり、石堂家の七代目を継いで是一と称し、明治24年、75歳で没したといわれている。彼の作刀期間は、天保末年から明治初年頃までにわたり、現存するものは比較的多い。作品は大別して備前伝と相州伝の二様があるが、やはり彼の本領は石堂家の御家芸ともいえる備前伝であり、傑作も多い。新々刀期も多くの備前伝の刀工達が匂い出来で丁子を焼くのに対して、彼は沸出来で焼いており、ここに彼の独創性が窺える。

本刀も匂の深い沸出来で丁子を焼いて、同工の特色を見せている。また、焼刃には金筋や砂流しが目立つなど、刃中の働きが豊富であり、匂口の明るい作柄で、地刃共に健全で出来が良い。また茎の「諸天之以神水造之」の添銘から、正月の奉納刀として製作されたものと思われ、「干支日の兎と松・竹・梅」の濃密な彫物も見事に施されている。

尚、前年の文久三年十二月五日には師長運斎綱俊が永眠している事から、それに因んだ作品の可能性も高く、稀に見る彫物のある石堂運寿是一の入念作である。


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