保存刀装具鑑定書(平成10年6月30日)付
保存刀装具鑑定書(平成22年11月10日)付
金無垢しとどめ付
上製桐箱落込・布団付
¥2.300.000(税込)
時代・国 江戸後期(約220年前)、武蔵。
法量 表目貫3.79㎝ 高さ0.62㎝
裏目貫3.68㎝ 高さ0.53㎝
縁長3.88㎝ 高さ1.35㎝
頭長3.53㎝ 高さ0.86㎝
品質・形状 目貫: 銀地 容彫 毛彫 赤銅平象嵌 金色絵。
縁頭: 四分一石目地 鋤出高彫 金象嵌色絵。
説明 石黒政常は宝暦10年(1760)に生まれ、加藤直常に師事して是常と名乗った。
さらに直常の師家である柳川直政に入門を許されて修業した。独立開業して
から柳川直政の「政」と加藤直常の「常」の各一字を貰って政常と改名して
活躍し、横谷派中の有力な一支流を形成した。61歳の還暦の時から寿命と号
し、呉服町に住んでいたが、文政11年(1828)7月に69歳で没した名工である。
本作は目貫と縁頭の取り合わせであるが、政常が得意とする虎の図柄で統一
されており、虎目貫の姿態は今にも飛びかかって来そうな躍動感と目の鋭さ
が印象深く、黒色の縞模様と毛並みの出来は見事である。
縁頭には黒四分一地金を用いて、密集した暗い竹林を鋤出高彫で表現し、そ
の透き間から獰猛な虎の片目がこちらを狙っている。何と迫力に満ちた構図
であろうか、名工石黒政常の会心作である。