特別保存刀剣鑑定書(平成25年4月24日)付
¥2,000,000(税込)
刀剣美術(第677号)27頁 鑑定刀所載品
金着二重鎺、白鞘付
千葉県教育委員会登録証(昭和28年8月18日)付
◎時代・国
室町後期(約500年前)、山城。
◎法量
刃長22.2㎝(7寸3分3厘) 無反り
元幅2.38㎝(7分9厘) 元重0.58㎝(1分9厘)
茎長10.2㎝(3寸3分7厘)
◎形状
平造、三ッ棟、身幅・重ね共に尋常で、ふくらも枯れごころで、刃長の割に茎が長めの典型的な室町後期の短刀体配である。
◎鍛
小板目に小杢目肌がよく約んで地沸つき、地景入り、流れごころもある。
◎刃文
表裏が揃い、腰元で小互の目を二つほど焼き、その上は中直刃調に極く浅く湾れ、匂口締まりごころに小沸つき、金筋入り、明るく冴える。
◎帽子
直ぐで入り、先小丸にやや深く返り、僅かに掃き掛ける。
◎彫物
指表の腰に草の倶利伽羅、裏は腰元に護摩箸がある。
◎茎
生ぶ、たなご腹風に先栗尻、鑢目切、目釘孔1。
◎説明
平安城長吉は、三条吉則と共に室町期の京物を代表する刀工で、通常、彼の作品は表裏の刃文が揃い、茎はたなご腹の形状になるなど、千子一派に共通する作風のものが多く、伊勢村正の師ともいわれてる。
本作もふくらが枯れごころで、表裏の刃文が揃い、茎はたなご腹風となって、まさに村正を彷彿とさせる出来口となっている。特に平安城長吉は彫物を得意としていたことが知られ、そのほとんどの作品に彫り物があり、本作の草の倶利伽羅も頗る上手で、典型的な作品となっている。数少ない平安城長吉の優短刀である。