第29回重要刀剣指定書(昭和57年12月8日)付
¥4,000,000(税込)
本間薫山先生御鞘書付
金着二重鎺、白鞘付
東京都教育委員会登録証(昭和31年7月6日)付
◎時代・国
南北朝期(約670年前)、長門。
◎法量
刃長31.1㎝(1尺2分6厘) 反り0.2㎝(7厘)
元幅2.75㎝(9分1厘) 元重0.46㎝(1分5厘)
茎長10.6㎝(3寸5分)
◎形状
平造、三ッ棟、身幅広く、寸延びて、浅く反りつき、重ね薄い。
◎鍛
板目に杢目よく約み、流れ柾など交じり、肌立ちごころに地沸つき、地景頻りに入り、刃寄りに直ぐ映り立つ。
◎刃文
小のたれ調に互の目交じり、足よく入り、小沸つき、細かな金筋・砂流し頻りにかかり、明るい。
◎帽子
のたれ込んで、突き上げて先丸く、やや深く返り、いわゆる地蔵帽子となる。
◎茎
生ぶ、先栗尻、鑢目筋違い、目釘孔1。
◎説明
安吉は「正宗十哲」の一人である大左、すなわち左衛門尉安吉の子で、大左が安吉を名乗ったとすれば、大左は長州安吉の前身であったとも考えられる。現存する
有銘の作に太刀は皆無で、平造の大振の短刀或いは小脇指が現存している。
本国は筑前で、のち長門に移住した為、長州左の名があり、安芸小春にても造った。
初め南朝年号を用いていたが、のちに北朝年号に替えられており、長州における周囲の事情とも考えられる。
本作も重ねが薄い寸延び短刀で、肌立ちごころに地景が頻りに入り、刃寄りに直ぐ映りが立って、小沸出来の互の目に足がよく入り、細かな金筋・砂流しが頻りにかかって、地蔵帽子となっている。左安吉の特色をよく示した佳品で、地刃の保存がよく、茎の銘文も鮮明である。(重要図譜より抜粋)