保存刀剣鑑定書(平成30年6月13日)付
特別貴重刀剣認定書(昭和35年10月2日)付
特別貴重小道具認定書(昭和35年10月2日)付
¥売却済
黒呂色塗鞘打刀時代拵付
銀着一重鎺、白鞘付
千葉県教育委員会登録証(昭和26年2月6日)付
◎時代・国
江戸初期(約360年前)、武蔵。
◎法量
刃長68.4㎝(2尺2寸6分) 反り1.9㎝(6分3厘)
元幅3.19㎝(1寸5厘) 先幅2.45㎝(8分1厘)
元重0.72㎝(2分4厘) 先重0.6㎝(2分)
鋒長3.78㎝(1寸2分5厘) 茎長20.8㎝(6寸8分6厘)
◎形状
鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、元先の幅差さまで開かず、反りがあって姿良く、中鋒となって力強い体配である。
◎鍛
小板目に小杢目肌交じってよく約み、地沸厚くつき、地景入る。
◎刃文
沸出来、匂い深く、大湾れ調の中に小互の目交じり、足・葉頻りに入り、金筋・砂流しかかり、激しく働く。
◎帽子
湾れ込んで、小丸に浅く返り、やや掃き掛けて沸よくつく。
◎彫物
表裏に丸留の刀樋がある。
◎茎
磨上げ(約1寸5分)、鑢目大筋違、先栗尻、目釘孔3。
◎拵
黒呂色塗鞘打刀時代拵(特別貴重小道具認定書付)
鐔、丸形 鉄槌目地 鋤下彫 赤銅縄目覆輪轡の図。縁、赤銅石目地 高彫 金四分一色絵 月に狼と薄の図 銘=平安城清水義明(花押)(佐藤義照門人)。
目貫、赤銅容彫 菖蒲の図。頭、角。白鮫、黒色糸つまみ巻。紫下緒。銀無垢切羽、真鍮
しとどめ。江戸時代の拵ながら傷みが少なく健体である。
◎説明
大村加卜は、大森治部左衛門と称し、駿府郊外の安在に生まれ、本来は医者
であり、刀鍛冶はその余技であったといい、「予ハ鍛冶ニ非ズ」と銘したものがある。
越後の松平光長に仕え、後に水戸徳川家の家臣となって義公に仕えた。
坂東太郎卜伝はその門人である。
著書「刀剣秘宝」によると、正保元年三月から刀を打ちはじめ、貞享元年までの41年間に
100腰打ったと述べているが、現存する刀は数少なく貴重である。師は明らかではなく、作
風は丁子乱れの備前伝と直刃調の沸出来の相州伝のものとがあり、「真十五枚甲伏」の添銘
は作刀の殆んどに見るものである。本刀はまさに相州伝の典型作で、地沸が厚くつき、沸強
く、匂口深く、刃中は頗るよく働いて出色の出来映えであり、付属の時代拵も武骨ながら健
体で好ましい。