第64回重要刀剣指定書(平成30年11月6日)付
¥6,700,000(税込)
金着一重鎺、木皮巻白鞘付
島根県教育委員会登録証(昭和26年5月29日)付
◎時代・国
江戸前期(約340年前、武蔵)。
◎法量
刃長71.6㎝(2尺3寸6分4厘) 反り1.8㎝(5分9厘強) 元幅3.1㎝(1寸2厘)
先幅2.2㎝(7分3厘) 元重0.74㎝(2分4厘強) 先重0.51㎝(1分7厘)
鋒長3.75㎝(1寸2分4厘) 茎長20.3㎝(6寸7分)
◎形状
鎬造、庵棟、身幅広く、元先の幅差ややつき、鎬幅広く、重ね厚く、踏張りごころつき、反りやや深く姿良く、中鋒延びごころとなる。
◎鍛
小板目肌よく約み、地沸厚くつき、地景細かによく入り、明るい。
◎刃文
元を直ぐ調に焼出し、互の目・小互の目・互の目丁子など連れて交じり、数珠刃風となり、足太くよく入り、沸厚くつき、二重刃風を見せ、僅かに刃縁がほつれ、金筋・砂流し頻りにかかり、匂口明るい。
◎帽子
直ぐで入り、先丸くやや深く返る。
◎茎
生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔1。
◎説明
法城寺一門は、寛文・延宝期を中心に大いに活躍した鍛冶集団であり、数多くの良工を輩出している。
国正は延宝の年紀作を有し、正弘や貞国らと共に高名であり、作風も共通していて、一派の代表をなした。
この刀は、小板目がよく約んだ鍛えに、地沸が厚くつき、地景が細かに入ってかねが明るく、刃文は互の目・小互の目などの刃が連れて交じり、数珠刃風となり、足が太くよく入り、沸が厚くつくなど、江戸法城寺派の典型的作風をよく表している。また二重刃やほつれ・金筋・砂流しなどの働きにも富んでおり、沸が厚くついて地刃の明るい点も特筆される(重要図譜より転載)。
江戸法城寺国正の中でも最も出来の良い優刀の一振である。